こが・しげあき 1955年生まれ。東大法学部卒。通商産業省(現経済産業省)に入省。内閣官房で国家公務員制度改革を担当した後、2011年に退官。経済改革、原発・自然エネルギー、外交安全保障などで発言を続けている。(撮影:尾形文繁)

原子力や防衛など、東芝の事業は国家と関わるものも多い。経済政策をつかさどる経済産業省はどのような影響を与えてきたのか。元官僚で政治経済評論家の古賀茂明氏に聞いた。

──一連の騒動をどう見ますか。

大きくはガバナンスの問題だ。

東芝は株式会社の1つであると同時に日本の産業を代表する存在でもある。そうした企業を誰が支配し、経営するのが正しいのかということが問題の核心だ。政府や経産省はつねに、産業革新機構や日本政策投資銀行などを使い、何とか自分たちの思うように動かしていこうと関与してきた。最近は米中対立を背景に地政学的な問題がクローズアップされる中、経済と政治、安全保障が切り離せないことを象徴する案件だと思う。

安全保障や政治的に重要な事業であれば、国益を守るために国が何らかの介入を行う必要性は否定できない。ただ、そこで経済合理性をまったく無視したり、目的と手段の整合性や責任の所在が不明確なままであることが目立つ。