たかい・ひろゆき 神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。英国ロンドンで、貴金属や銅・アルミなどの取引を担当。金融事業本部長、エネルギー本部長を経て、2013年住友商事グローバルリサーチ社長、18年同社ワシントン事務所長。20年7月から欧州エネルギー取引所グループ上席アドバイザーに転じる。(撮影:梅谷秀司)

新型コロナウイルスによる金融市場ショックから1年が経過、商品市況は軒並み高値を更新している。

米シカゴの木材先物価格は今月初めに1600ドル(千ボードフィート当たり)を超え史上最高値となった。コロナ危機の昨春は300ドルを割っていたので5倍超の上昇だ。大消費地の米国や中国の景気回復、超金融緩和政策と財政出動が追い風のうえ、リモートワークの進展による都心の集合住宅から郊外の戸建てへの住み替えやDIY需要も木材不足につながった。木材を運ぶ海上輸送用コンテナの不足も需給逼迫に拍車をかけている。

鋼材価格も昨春から反転し中国で2倍、欧州や北米では3倍になっているという。原材料の鉄鉱石も1トン当たり215ドルまで上昇し10年ぶりに史上最高値を更新した。中国を中心に製造業、建設業、インフラ関連などからの注文で設備はフル操業だという。中国政府による景気刺激策の削減や環境規制の強化を見越した駆け込み増産の側面もある。