アパレル中高年が抱いた不満と不安 誌上座談会|元社員、元販売員の本音

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中にいたからこそわかる業界の構造変化とこれからの展望。

アパレル業界では人員削減に関するニュースが相次いでいる。各社が着手した希望退職募集には、会社の想定を大幅に上回る数の中高年社員が手を挙げた。そうした人たちは何を思い、職場を離れる決断をしたのか。アパレル関連企業を50代で退職した人たちに話を聞いた(個別取材を基に座談会形式で構成)。

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──アパレル関連企業をなぜ退職したのですか。

A 新卒からアパレルに勤めてきたが、商品が売れず値引きが年中行われている状況を見て、「業界全体が構造的に限界に来ている」と5年ほど前から感じていた。

コロナ禍でEC(ネット通販)の売り上げが高まり、社内では従前のキャリアと何ら関係のない物流倉庫での業務に突然出向させられて、給与を下げられた社員たちも複数いた。昨年会社が希望退職を募集したとき、「割増金をもらって会社を退職できる最後のタイミングでは」と思い、手を挙げた。

B 百貨店の婦人服や靴の売り場で20年以上働いてきた。直近は靴メーカーの契約社員として靴売り場で働いていたが、昨年春の緊急事態宣言下で退職を決めた。

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