ワクチン接種態勢の不備など政府の新型コロナ対策に対する批判が絶えない(毎日新聞社/アフロ)

新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、変異株の広がりの中で、一度や二度のワクチン接種ではとうてい終息には至らないことが見えてきた。一進一退のまま、あと数年は続くことも想定しなければならない状況である。

その中で、政府のコロナ対策のほころびがさまざまな局面で露呈している。ワクチンの調達から配分までの不備、接種態勢の未整備、病床確保の失敗、そして知事をトップとする都道府県との連携不足である。当初は1〜2年で終息するのではという期待もあり、何とか当座の態勢でしのいできたのだろう。しかし、問題が長期にわたって持続するとなれば、それに見合った態勢づくりも不可欠だ。

それには、結論から言えば、内政分野で能動的調整を進める司令塔をつくるべきである。

第2次以降の安倍晋三政権を振り返ると、経済では甘利明経済財政担当相を中心に、日本経済再生本部が経済財政諮問会議と連携しながら「アベノミクス」の総合的な経済政策を推し進めた。また外交・安全保障政策では、新設の国家安全保障会議と事務局の国家安全保障局を司令塔として、外務事務次官出身の谷内正太郎国家安全保障局長が安倍首相の意向をくみつつ、国内調整と対外交渉を展開した。経済と外交の分野では明確に司令塔が存在したのである。それは、省庁再編から第2次安倍政権に至る改革の成果であった。