David Warsh 1944年生まれ。米ボストングローブ紙で経済学コラム担当記者として活躍。同紙休刊後は、Web上で経済学のコラムを執筆。著書に『Because They Could』など。(撮影:Deborah Milligan)

知識イノベーションが長期的な成長をもたらすという内生的成長理論を提唱し、2018年にはノーベル経済学賞を受賞したポール・ローマー。『ポール・ローマーと経済成長の謎』は、経済学の歴史を振り返りつつ、ローマーが理論を生み出した経緯を記した一冊で、原著(ハードカバー)は06年に出版。日本では翻訳版が20年に刊行されている。著者のデヴィッド・ウォルシュ氏に本書刊行の経緯を聞いた。

『ポール・ローマーと経済成長の謎』デヴィッド・ウォルシュ 著/小坂恵理 訳/日経BP/3080円

──執筆のきっかけは何ですか。

ローマーとの出会いは、サプライサイド経済学が全盛だった頃だ。その頃、成長理論はほとんど関心を集めていなかった。(資本や労働の投入だけでは説明できない成長部分である)ソロー残差をめぐる議論も終わったかのように見えていた。