ライオンのディナーよりウサギのランチ

10‌0歳以上の長寿者が多い場所、例えば、日本の沖縄やコスタリカのニコヤ半島、イタリアのサルデーニャ島などの住民は何を食べているか。共通する食習慣は「長寿食」と呼ばれるもので、野菜や豆類、全粒の穀物を多く取り、肉や乳製品や砂糖を控えるということに尽きる。

なぜ、肉は控えるべきなのか? 肉類には9つの必須アミノ酸がすべて含まれている。そもそも、アミノ酸を摂取しないと私たちはかなり短期間で死ぬ。アミノ酸は有機化合物で、人体のあらゆるタンパク質を組み立てる材料だ。アミノ酸がなければ、細胞は酵素を生成することができない。この酵素こそが生命に欠かせない源なのだ。

肉はこのアミノ酸を摂取する手軽なエネルギー源のはずだ。それなのに、なぜ肉を控えるべきか。それは肉にはそうとうな代償が伴うからだ。動物性タンパク質に偏った食生活を送っていると、心血管系疾患による死亡率とがん発症率がともに高まることがさまざまな研究で報告されている。

とくに、ホットドッグやソーセージ、ハムやベーコンといった加工した赤身肉はいけない。結腸・直腸がん、がん、前立腺がんとの関連性が確認されている。赤身肉にはカルニチンという物質が多く含まれており、これが腸内細菌によって変換されるとトリメチルアミン-N-オキシドになる。心臓病の原因になることが疑われている化学物質だ。

長く健康に生きたいのなら、食事はライオンのディナーよりウサギのランチに近づけたほうが断然いい。動物性タンパク質の代わりに植物性タンパク質を取れば、全死因死亡率が著しく下がることが複数の研究によって示されている。