LIFESPAN(ライフスパン)  老いなき世界(デビッド・A・シンクレア/マシュー・D・ラプラント 著/梶山あゆみ 訳/東洋経済新報社/2640円/592ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

人類はかつてないほど長生きするようになった。だが、よりよく生きるようになったかといえば、そうではない。むしろ正反対だ。過去100年間に私たちの寿命は延びたものの、生きるに値する人生が追加されたとはとてもいえない。なぜなら、長生きしても最後の数十年間は手術に次ぐ手術、人工呼吸器と大量の薬、化学療法に放射線、股関節骨折におむつと、いまいましいことが伴うからだ。

では、若々しくいられる時期をもっと長くできるとしたらどうだろうか。それもあと数十年長く。つまり50代からでも違う自分に生まれ変われると思うことができ、60代になっても自分が何を残したのかと悩むことなく、生きた証しを新たにつくり始めることができるとしたら―。

私は人がなぜ年を取るのかを知りたいと思っていた。老化は複雑な生物学的プロセスである。本書では、なぜ老化という現象が生物に備わったのかについて新たな視点から斬り込み、それが私の言う「老化の情報理論」でどう説明できるかを見ていく。