David A. Sinclair 1969年生まれ。95年に豪ニューサウスウェールズ大学 で分子遺伝学の博士号取得。米マサチューセッツ工科大学の博士研究員を経 て99年から米ハーバード大学医学大学院に勤務。遺伝学教授、同大学院ブ ラヴァトニク研究所に所属。(© Brigitte Lacombe)
『LIFESPAN 老いなき世界』を著した米ハーバード大学医学大学院教授のデビッド・A・シンクレア氏は「老化は治療できる病気」という、これまでの常識を覆す主張を専門的な研究から強く訴える。シンクレア氏に、老化治療の意義や健康長寿の生活について話を聞いた。

――『LIFESPAN』の中で最も伝えたかったことは。

「老化は病気である」と認めたうえで対策すれば、誰もが自分でしっかりと効果を生み出せるのだということ。老化の要素の80%を担っているのは自分自身の決定であり、残りの20%は遺伝子が担っている。科学の世界では、がんや心疾患、アルツハイマーなど個別の疾患において研究が進んでいるが、それらの最も大きな根本原因が「老化」であるということについては無視されている。

私たちが老化研究で目指しているのは、社会や家族とともに、いつまでも健康で生産的な年月を過ごしていくことができるという世界だ。