コロナ禍の中、先を見通せない日々が続いている。家族や生活はどうなる、ビジネスは、日本そして世界は……。人類はこれまでパンデミックを何度も経験してきたが、いま生きている私たちにとっては、これほど長期で大きな試練は初めて。それゆえに苦しみ、悩み、嘆き、混乱を繰り返す。

しかし、将来を悲観しすぎる必要はない。人類はさまざまな危機を乗り越えてきた。今度も私たちは必ず克服できるはず。まずは先人の知恵と経験に学び、未来の世界を展望してみる。その方途として、1冊の本を手に思索を巡らし、来し方行く末に思いをはせてみてはいかがだろう。

ゴールデンウィーク直前の特集は「『未来を知る』ための読書案内 ベストブック2021」。未来予測本、教養書、経済・経営書、ビジネス書、マンガといったジャンル別に掲載した。経営者や学識経験者、市場関係者など各界の専門家、書店員の皆さんに推薦してもらい、推薦数の多い順にランキングした。

紹介した本は全部で200冊。新刊本ランキングのみではなく、過去に刊行された本が対象の名著ランキングも掲載した(経済・経営書は順位なし)。懐かしい本も選ばれており、数十年前の著者の慧眼(けいがん)に改めて驚かされる。

衝撃的な30年後の世界

このベストブック特集のテーマは「未来を知る」。依然、気分の落ち込むニュースの多い中だが、本を開けばアフターコロナ時代の胎動や新たなテクノロジー、ビジネスのヒントがあふれている。

記事下には2050年代までの「未来年表」を掲載した。「空飛ぶクルマ」の実現や各国間での宇宙ステーション競争など、かつてのSF映画を彷彿とさせる内容もタイムラインに並ぶ。

主要国のGDP(国内総生産)シェアも衝撃的だ。50年にはインドも米国を抜き、日本はインドネシアやブラジルなどの後塵を拝することになるという。人口減少を不安視される先進国を尻目に、アジアとアフリカは人口が膨らみ、50年には両地域で世界の8割近くを占めるようになりそうだ。

『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』。表紙に使用したフランスの画家ポール・ゴーギャンの名画は、人類の過去、現在、未来を投影したものといわれる。1冊の本との出合いが、目指すべき未来を照らしてくれるかもしれない。