きうち・たかひで 1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

個人投資家がSNS(交流サイト)上で結託して株価を押し上げたゲームストップ問題、SPAC(特別買収目的会社)の株価高騰、ビットコインの価格急騰、デジタル資産のNFT(非代替性トークン)ブームなど、超金融緩和状態の下で醸成された資産バブルの兆候が、年明け後の米国市場では一気に噴き出した感がある。

そこに新たに加わったのが、「ファミリーオフィス」であるアルケゴス・キャピタル・マネジメントの巨額損失問題だ。

ファミリーオフィスとは、資産家一族の資産の運用を目的に設立された組織だ。ファミリーオフィスの大半は未上場で、また自己資産の運用会社という名目であるため、当局への運用情報開示義務を免れる。また、顧客から資産運用を任されていないため、顧客本位の業務運営「フィデューシャリーデューティー」が求められることもない。それゆえに、極めてリスクの高い投資行動も可能となっているのだ。