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対中関係、冷静で具体的な視点を 西側諸国を中心に中国包囲網を構築する動き

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世界中で対中強硬論が盛んだ。しかし経済を重視するならば冷静な議論が必要だ。

日米首脳会談の主要テーマは中国包囲網だった。対中強硬路線を突き進むが、そこに落とし穴はないか(The New York Times/Redux/アフロ)

「それは中国がイージーターゲットになったからです」。私淑する国際政治の泰斗は中国の今をこう喝破する。

米中対立を受け、西側諸国を中心に中国包囲網を構築する動きが急だ。日米豪印の枠組み(QUAD(クアッド))がリモートで首脳会談を行い、インド太平洋には英国やフランスが艦艇を派遣し、さらにはドイツまでもが艦艇派遣を計画する。

どうしてここまで嫌われ者になってしまったのかと思わずにいられないが、その回答が冒頭の「イージーターゲット」なのである。

「そりゃ、簡単に自分の存在感を高められ、正義を振りかざすことができれば、たたくでしょう」と解説してくれた。

国際政治上のソフトパワーという観点に立てば、中国がイージーターゲットになっているという指摘は納得できる。日本人はウイグル問題で怒り、北京冬季オリンピックのボイコットまで口にし始めている。そんな様子を見聞すれば、なおさら納得感が増す。

かつて中国が反日一色に染まっていた頃、「日本製品を買えば、その利益で日本人は銃弾を作り中国人を殺す」というスローガンに接し、「なんて愚かな」とあきれたことがあったが、今の日本人も負けてはいないらしい。狙いやすい相手を見つけ出し、皆で集中的にたたく。そんな構図だと言ったら言いすぎだろうか。

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