やました・よしのり 1957年生まれ、兵庫県出身。80年広島大学工学部卒業、同年リコー入社。2011年に総合経営企画室長。ビジネスソリューションズ事業本部長や副社長などを経て、17年4月より現職。(撮影:尾形文繁)
コロナ禍でオフィスの印刷需要が急減し、複合機各社には厳しい年となった2020年。リコーも20年度は490億円の営業赤字を見込む。ただ、テレワークの浸透もあって、業務のIT化・効率化を支援する、オフィスサービス事業は好調だ。リコーが掲げてきた「デジタルサービスの会社」への転換について山下良則社長を直撃した。

営業利益に占めるオフィスサービス事業比率

2019年度の37%から25年度には54%へと半分以上への拡大が目標。オフィスサービス事業で収益を稼ぐ構造へ転換目指す。

──複合機市場はコロナ禍で大打撃を受けました。

われわれは印刷量に応じた課金ビジネス、いわゆる“ノンハード”を収益の柱としてきた。その売上高が前年と比較して20%ほど落ちたのはかなり痛かった。

一方で「デジタルサービスの会社」への転換を後押しされたとも感じる。もともと印刷量の減少は市場予想よりも厳しくみて対応を進めてきた。コロナ禍前に想定していた以上に、オフィスへのITサービス販売が飛躍的に伸びている。サービスの会社へのシフトを加速できた一年だった。

──4月から導入したカンパニー制の狙いは何ですか。

意思決定の迅速化による成長加速と資本効率経営の追求だ。ノンハードなどプリンティング事業が売上高の大半を占め、生産面などで全社的に複合機に頼るところもあった。プリンティング事業が縮小していく中、各事業が自律的に成長していく必要がある。