ソニー 半導体の奇跡 お荷物集団の逆転劇(斎藤 端 著/東洋経済新報社/1760円/246ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile]さいとう・ただし 1953年高知県生まれ。東京工業大学経営工学科卒業後、76年ソニー入社。エレクトロニクスHQエレクトロニクスCFO、業務執行役員コーポレート戦略担当、半導体事業本部長などを経て2012年執行役EVP・CSOに就任。15年退任。

日本の電機メーカーが半導体事業で世界を席巻した1980年代、蚊帳の外だったのがソニー(現ソニーグループ)だ。同社の半導体部門は、社内でも十数年前まで「お荷物」扱いだった。

それが今では、全社利益の約4分の1を稼ぎ出し、スマートフォンなどに使われる画像センサーでは世界シェアの約5割を握る。日本企業の半導体部門は事業縮小と撤退を重ね、世界の最前線から脱落したが、ソニーは生き残り、躍進した。

本書は社内の傍流事業が基幹事業にいかにして成長したかを描いているが、企業物語にありがちな技術者たちの情熱と涙の記録ではない。技術はピカイチだが社会不適合者ばかりの集団が、熱血リーダーの下で成功をつかむ、といったストーリーでもない。