イラスト:浦野周平

「サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!」。消費者庁や金融庁のホームページでこのような注意喚起がなされるほど、サブリース契約に関するトラブルは多い。

サブリース契約とは、アパートやマンションなどの賃貸住宅を、家主(オーナー)から一定額の保証賃料でサブリース会社が借り上げ、入居者へ転貸する契約のこと。オーナーにとっては入居者募集や物件管理の手間が省けるというメリットがある。しかし、入居賃料の10~20%の手数料がかかるほか、保証賃料が減額されたり、契約を突然打ち切られたりするリスクもある。

営業員が「必ず儲かる」と言ってリスクをほとんど説明しないまま契約させ、後にトラブルになるケースも多い。あるサブリース会社の元営業員は明かす。「保証賃料の減額リスクについてはオーナーへ説明はするものの、2時間ほど話す中で、なるべく印象に残らないようさらっと済ませる」。2019年の国土交通省のアンケート調査では、賃料減額のリスクについて「事前説明を受けていない」と回答するオーナーが全体の29%にも上った。

こうした不誠実な営業が横行する中、政府は重い腰を上げ、20年12月15日、オーナーの被害を食い止めるべく「サブリース新法」を施行した。だが皮肉なことに、新法施行により、新たな被害が表面化している。

新法対応に追われる業界

新法で改善された点は主に3つ。まず、賃料の減額リスクやサブリース会社からの途中解約の可能性、オーナーからの解約には「正当事由」が必要なことの書面での説明が義務づけられた。次にそうしたリスクを説明・表示しない広告や勧誘が禁止された。そしてサブリース契約を勧める業者だけでなく、業者から依頼を受けた者にも規制の対象が広げられた。違反者には業務停止命令が出されたり罰金が科されたりする。

この新法施行によりサブリース業界は一斉に対応へ動いた。