3月12日にオンラインで開催された日米豪印の「クアッド」4カ国首脳協議(毎日新聞社/アフロ)

最近、菅義偉首相の「外交攻勢」が際立っている。4月15~18日に訪米、首都ワシントン滞在中の16日にホワイトハウスでジョー・バイデン大統領と会談した。さらに大型連休(ゴールデンウィーク)期間中にインド、フィリピン両国を訪問する。ニューデリーでナレンドラ・モディ印首相、そしてマニラでロドリゴ・ドゥテルテ比大統領と会談する。

これらの会談は、中国の習近平・国家主席(共産党総書記)が推進する広域経済圏構想「一帯一路」と、中国海軍の南シナ海での海上覇権活動を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を確認するためである。

ここに至るまでには紆余曲折があった。インド太平洋地域をめぐる中国の活発な軍事行動によって招来されたものである。

日米首脳会談前の3月12日、バイデン氏の呼びかけで日米豪印の戦略的枠組み「クアッド」4カ国首脳協議がオンラインにより初めて開かれた。同協議では4カ国が連携して新型コロナウイルスのワクチンを東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国に供給することで合意をみた。

一方、クアッドを中国に対する多角的な戦略連携の死活的な舞台と位置づける米国と、カシミール地方の係争地をめぐり軍事衝突を繰り返すものの対中貿易赤字が膨らむインドとでは対中姿勢に濃淡のあることが露呈された。