野村証券、新戦略の展開に漂う暗雲 米国で2200億円もの巨額損失

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2200億円の損失の可能性。3500億円超の社債発行も頓挫。

2020年度は絶好調のはずだったが、終盤で思わぬ事態が発生した

「多額の損失が生じる可能性」──。

3月29日午前8時45分、野村ホールディングス(HD)が、米国子会社が顧客と行う取引で大きな損の出る可能性があると発表すると、取引開始直前だった株式市場に激震が走った。損失が噴き出す取引の詳細は不明だが、顧客に対して20億ドル(約2200億円)前後を請求していると発表した。

この日、野村HDの株には売り注文が多すぎて値段がつかない「特別売り気配」が点灯。株価は終値ベースで少なくとも過去20年で最大となる16%の下落となった。その後も株価は回復せず、時価総額で約4000億円が吹き飛んだ。

野村HDは「プレスリリース以上の説明はできない」としているが、ブルームバーグやフィナンシャル・タイムズなど海外メディアの報道によれば、米国の「アルケゴス・キャピタル・マネジメント」というファミリーオフィス(富裕層の資産運用法人)が投資で失敗したことが、損失の生じる原因とみられる。

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