日立製作所は1兆円を超える過去最大規模の買収に踏み切った(撮影:尾形文繁)

日立製作所が3月31日、米IT大手グローバルロジックを96億ドル(約1兆400億円)で買収すると発表した。同月初めにはパナソニックが米ソフトウェア大手ブルーヨンダーを約7000億円で買収するという報道もあった。NECも昨年、スイスの金融ソフトウェア企業アバロックを約2400億円で買収している。国内の電機大手が相次いでデジタル関連の大型買収に動くが、DX加速の契機となるのか。

日立は2020年7月にスイスABBの送配電網事業を約7400億円で買収したばかり。今回買収するグローバルロジックの主力事業は、企業がデジタルビジネスを進める際の戦略策定や顧客体験の設計、ソフトウェア開発を請け負うことだ。

今はシリコンバレーを拠点とするが、もともとはドットコムバブルの際の00年にインド人4人が米バージニア州で創業。開発の大本はインド、顧客は米国がメインで、いわゆるオフショア開発のビジネスだった。画期的な製品があるというよりも、調達した資金で同業を買収し拠点を欧州など米国外に増やしていった。

急成長するベンチャーは核となるテクノロジーを持つが、グローバルロジックのビジネスモデルは米コンサルティング大手アクセンチュアなどと競合する労働集約的なものだ。販路や専門性の高さで差別化が必要となる。日立はここ数年「ルマーダ」と呼ぶソリューションビジネスを前面に押し出し、ソフトウェア企業への転換を図っているが、結果的に顧客ごとにカスタマイズしており、スケールメリットを出しづらい。クラウドに振り切れず株価が振るわない米IBMやデータ企業への転換で苦戦する米ゼネラル・エレクトリック(GE)と同様の道をたどるおそれもある。