中ロ関係が動いている。3月23日、ロシアのラブロフ外相が、中国南部の広西チワン族自治区桂林市で王毅・国務委員兼外相と会談した。〈共同声明で「各国は人権問題の政治化に反対すべきだ」と明記し、新疆ウイグル自治区を巡る米国や欧州の対中制裁をけん制した。/中国とロシアの外務省が発表した。ラブロフ氏は中国の要請で22日に訪中し、王氏と2日間連続で会談した。共同声明では「人権問題に名を借りて他国の内政に干渉するのをやめるべきだ」とも強調した。/中国外務省の華春瑩報道局長は23日の記者会見で、米国や欧州連合(EU)などの対中制裁に関し「ウソと虚偽情報に基づいて制裁を加えた」と非難した。/米欧が対中圧力を強めるのに対抗し、中国は対米関係が悪化している国を中心に連携を強化する動きに出ている〉(3月23日付「日本経済新聞」電子版)。

中ロは連携して欧米の人権外交に抵抗する、という姿勢を鮮明にしている。中ロ外相会談を踏まえて3月末にクレムリン(ロシア大統領府)筋から興味深いインテリジェンス分析資料が届いたので、読者に紹介したい。ロシアの米国、インド、中国に対する本音が率直に記されている。あえて諜報機関が通常用いる報告書の形態で、読者に情報を伝達することにする。

〈1.①3月18日にアラスカで開催された米国との外交・安全保障代表会議では、米中両国が正常な関係にないことが示され、バイデン政権下で関係改善がなされるという期待が間違いだったことが証明された。

②中国は米国側から、これまでにない強い批判を人権問題において浴びせられた。しかし、その背景にあるのはバイデン政権の新しい対中国政策の考え方「経済的平和・政治的戦争」だ。

③この会議後に北京で開かれた会議では、現在の状況が両国関係にも国際政治にも長期的影響を及ぼす可能性が論じられた。習近平は「中国は米国人の指示を受けることはない。必要ならばあらゆる分野であらゆる手段を取り、われわれの国益を守るだけでなく、米国に反中国政策の代償を払わせる」と発言している。