3月10〜13日にパシフィコ横浜で開催された日本内視鏡外科学会総会。オンライン併用開催のため人影もまばらな中、入り口付近の目立つ場所に陣取った大きなロボットのブースには、事前に体験の予約をした医師たちが絶え間なく訪れていた。

このロボットの名前は「hinotori(ヒノトリ)」。漫画家・手塚治虫の代表作『火の鳥』に由来する。川崎重工業と医療検査機器メーカーのシスメックスが折半出資するメディカロイドが開発した手術支援ロボットだ。

ヒノトリは、4本のアームを備える手術台と、執刀医がそれらを操作する操作台、内視鏡映像のモニターの3つで構成される(写真:メディカロイド)

4本のロボットアームには鉗子(かんし)や内視鏡カメラが取り付けられており、患者の体に開けた小さな穴から挿入される。医師は手術台から離れた場所で、内視鏡カメラで撮影された3D映像を見ながら、両手や足でコントローラーを操作して手術を行う。内視鏡手術は開腹手術と比べると傷が小さく、入院期間が短いなどのメリットがある。手術支援ロボットは内視鏡手術の一部に用いるが、可動域の広い手首機能と立体的な画像によって、細かく正確な動作が可能だ。