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ここまで進んだAI活用 内視鏡での診断に創薬まで

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医療機器メーカーに加えシステム会社も参戦し開発競争が激化している。

医療現場でのAI(人工知能)活用が進んでいる。とくに内視鏡やCT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴断層撮影)といった画像診断の分野では膨大な画像情報の蓄積によってAIの精度が高まっている。

オリンパス

AI搭載内視鏡で病変の発見・診断支援

2020年11月、内視鏡で世界シェア7割を持つオリンパスは、大腸用に自社開発した内視鏡画像診断を支援するAIシステムを発売した。検査中に、大腸内にあるポリープやがんなどの病変候補をAIが自動で検出する。リアルタイムに色枠で強調表示できるシステムだ。

2020年11月に自社開発した内視鏡AI「ENDO-AID」を発売。病変候補を自動で検出する(写真:オリンパス)

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同社はこれまでも、大腸用のAI内視鏡を手がけてきた。19年には、IT企業のサイバネットシステムなどが開発し、国内初の“AI医療機器”として承認されたシステムを発売。ただ今回は、AIの自社開発にまで踏み込んだ。

大腸がんは、がんの中で国内では最も罹患(りかん)者数が多く、死亡率も高い。「世界的にも患者・死亡者数が増えているが、内視鏡医の育成や確保は各国で追いついていない」(オリンパスの先進画像処理技術ディレクター・神田大和氏)。AI内視鏡では、病変候補の発見や、その病変の良性・悪性の判断をサポートしてくれるものがある。経験が浅い内視鏡医でも、AIのサポートがあれば一定以上のレベルの診断が行える。

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