バイオベンチャーでは、前記事で取り上げたペプチドリームのように上場以降順調に成長している企業は一握り。むしろ業績不振や課題山積の企業が多い。

その1社が、ラクオリア創薬だ。同社では、この3月に行われた株主総会において個人株主の提案が承認され、経営陣の交代劇が起こった。上場企業の中でも前代未聞の出来事だ。

同社は製薬大手・米ファイザー日本法人の中央研究所を前身に、2008年に設立された創薬ベンチャーである。11年にジャスダックに上場している。

3月25日に行われた同社の株主総会。株式の10%超を握る筆頭株主の柿沼佑一弁護士による取締役選任などの全提案が、多数の株主による賛成で可決された。旧経営陣の谷直樹社長などが退任。同社で14〜18年に財務経理部長などを務めた武内博文氏が代表取締役(社長)に就任した。柿沼氏自身も、社外取締役(監査等委員)に就いた。

経営陣を刷新した筆頭株主・柿沼佑一氏は経営再建の難題に挑む(撮影:風間仁一郎)

20年12月期の業績は、新型コロナ禍や当初見込んでいた新薬候補化合物の導出遅れで営業赤字が膨らんだ。11年の上場以降、10期連続で営業赤字となっている。