日立製作所の東原敏昭社長は1兆円買収に自信を見せている(撮影:尾形文繁)

日立製作所が過去最大級となる1兆円超の巨額買収に打って出た。

日立は7月までに、米IT企業「グローバルロジック」の全株式を、海外投資ファンドなどの既存株主から96億ドル(約1兆0368億円)で取得する。

日立は日本を代表する製造業大手だが、近年は単純なモノ売りから脱し、モノとインターネットをつなぐIoT分野などデジタル企業への転換を進めている。今回の買収もその一環で、ITサービスを軸に海外展開を加速させたい考えだ。

グローバル社は2000年に創業して急成長している新興企業だ。世界14カ国に2万人の従業員を抱え、通信や金融、自動車など欧米の大手企業を中心に400社以上の顧客を持ち、企業の業務システムの開発などを手がけている。

21年3月期の業績見込みは売上高が約1000億円(前期比約19%増)に対し、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)率は20%超に上る高収益企業だ。今後も拡大が続く企業のデジタル投資により、高い成長が見込めるという。

3月31日に記者会見した日立の東原敏昭社長は、「デジタル化がすごい勢いで進んでおり、自動車や工場の中にもソフトウェアが入る時代になっている。買収する会社(グローバル社)は医療や自動車、産業分野などでノウハウがあり、世界で新たな価値を提供できると確信している」と自信を示した。