なかぞら・まな 1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

中央銀行による流動性相場が続く中、供給された大量の資金は確実にどこかに向かっていた。それが多くの資産市場の価格を上げて今に至る。

いわゆる“合理的バブル”は、それでもいつかははじけてしまうのだろう、という妄想が高まり出した頃のこと。3月初めにグリーンシル・キャピタルが破綻し、その処理過程でGFGアライアンス、リバティ・スチールなど与信先への影響が取り沙汰された。3月末にはアルケゴス・キャピタル・マネジメントに絡む金融機関の多額の損失が浮上した。ファンド関連損失のニュースが増え始めたのだ。

グリーンシル・キャピタルは本社をロンドンに置く2011年創業の金融サービス会社。商取引を行う売り手と買い手の間を取り持ち、債権を流動化して現金化を早める。債権をファンドにして投資家に販売することで利益を上げてきた。ファクタリングを主とする普通の金融ビジネスにも見えるが、短期債務でいささかリスクを取りすぎたことや、グリーンシルの複数の与信先が経営破綻し信用保険の失効などが出たことで、ファンド価格が維持できなくなった。