全米各地でアジア系差別への抗議デモが起きている(AP/アフロ)

米国でのアジア系住民に対するヘイトクライムやヘイト行動が後を絶たない。2020年の主要都市でのアジア系へのヘイトクライム数は前年の2.5倍(米カリフォルニア州立大学調べ)、ニューヨーク市では20倍(同市警察調べ)だった。またののしりなども含めたヘイト行動は、昨年3月から今年2月までの間に全米で3800件報告されている(NPOのStop AAPI Hate調べ)。標的になっているのは主に高齢者や女性で、路上でいきなり攻撃される例も目立つ。

AAPIと称されるアジアおよび太平洋諸島系住民が、アフリカ系住民の権利を守る「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」と同様の大規模な抗議活動を組織するべきだと考えるのも当然だろう。実際、昨年から各都市でそうしたデモ活動が展開されている。ダラス市のように3月26日を「アジア系へのヘイトを禁止する日」と銘打ち、地元政府としてサポートする動きなども出てきた。

だが、前途は長いものになりそうだ。20年にBLMの抗議活動に参加したのは、全米で延べ1500万〜2600万人と推定される。一方、昨年からニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、フィラデルフィアなど各都市で報告されるAAPIの抗議活動の参加者はそれぞれ数十人から数百人規模。数のうえでもインパクトのうえでもまだまだ及ばない。