あだち・まさみち 1991年日本銀行に入行。調査統計局、金融市場局などを経て2002年R&I出向。06年からJPモルガン証券シニアエコノミスト。19年からUBS証券チーフエコノミスト。
日銀の「点検」に関しUBS証券の足立正道氏は、「大事なのは何を学んだかだ」と説く。

日銀は点検を通じて黒田東彦総裁が任期を終える23年4月までは今の緩和政策を続けることを明確化した。副作用を考えて微調整はするが、2%の物価目標やイールドカーブ・コントロールなど現行政策の枠組みは正しく、今後も継続していくことを確認した。

市場への過剰な介入を副作用と考えれば、ETFの買い入れを柔軟化したことやTOPIX(東証株価指数)型のみにしたことは適切であり、もっと早くやるべきだった。貸出促進付利制度の創設は、緩和限界論を否定する意味合いが大きい。だが、これで副作用を低減できるのなら、物価が低迷する今、なぜマイナス金利の深掘りをしないのか。そうしないのは、副作用が大きくなることを日銀自身が認めているからだ。