しゃにむに写真家(吉田亮人 著/亜紀書房/1760円/320ページ)書影をクリックするとamazonのサイトにジャンプします。
[Profile] よしだ・あきひと 1980年宮崎県生まれ。京都市在住。滋賀大学教育学部障害児学科卒業。タイで日本語教師として1年間、帰国後小学校教員として6年間勤務。2010年から写真家。広告や雑誌を中心に活動する。作品は国内外で高く評価される。受賞多数。

「今の仕事をこのまま続けるつもり?」。妻のその一言で人生が思わぬ方向へと動いた男のエッセイだ。

なるほど、妻にここまで言わせるとは、この男、芽の出ないアーティストか何かだろうか。そう思う人も多いかもしれない。しかしそうではない。著者の吉田亮人は小学校の教諭だった。安定した人生が約束された公務員だ。

著者と同じく教師をしている妻は畳み掛けるように言う。「つまんないなと思わへん? そんな人生」。同僚の先生たちを見れば10年後、20年後の自分たちが予想できる。社会的地位に守られ、他人が敷いたレールの上を進む人生だ。