新型コロナウイルスのパンデミックが宣言されてから1年後の3月中旬、欧米日の中央銀行が相次いで金融政策の決定会合を開催した。どの中銀もコロナ危機に対応した異例の金融緩和の継続を決めたが、それぞれが異なる難題に直面し、政策の舵取りに苦心する様子が感じ取れた。

副作用と苦闘する日銀

「2%の物価安定目標を堅持し、粘り強く金融緩和を続ける。そういう意味で今回、緩和をより効果的・持続的にするための工夫をした」

3月19日の決定会合後の記者会見で、日本銀行の黒田東彦総裁は「金融緩和の点検」の意義についてそう説明した。

日銀はこの日、昨年12月に予告していた「点検」の結果を公表した。2016年9月に「総括的検証」を経て導入した長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、以下YCC)付き量的質的金融緩和は経済・物価の押し上げ効果を発揮したとして継続することを確認。そのうえでYCCを通じた緩和をより持続的・効果的にする3つの対策を打ち出した。

第1に、ETF(上場投資信託)とJ-REIT(不動産投資信託)の買い入れは、それぞれ約12兆円、約1800億円の年間上限枠を残したまま、6兆円、900億円という原則を取り去り、必要に応じて行う。