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「たいへんな変革期を迎える新体制で新領域を加速」 前田操治 前田建設工業 社長

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まえだ・そうじ 1967年生まれ。カーネギーメロン大学経営工学大学院(米国)修士課程修了。97年に前田建設工業に入社。2002年に取締役就任。09年に東京・飯田橋の再開発プロジェクトを担当。16年から現職。(撮影:尾形文繁)
準大手ゼネコンの前田建設工業は、上場会社で子会社の前田道路、前田製作所と経営統合することで基本合意した。3社はそれぞれ10月1日付で株式移転により新設される共同持ち株会社の完全子会社になる。新体制を公表した背景にあるものは何か。前田操治社長に聞いた。

前田道路TOBから統合発表までの期間

2020年3月にTOBにより前田道路を子会社化した。そこからほとんど間を置かずに今年10月の経営統合を表明した。

──昨年3月にTOB(株式公開買い付け)により前田道路を子会社化したばかりですが、今回共同持ち株会社設立の発表となりました。新体制は以前からの構想ですか。

建設業界だけでなく、社会全体がたいへんな変革の時代を迎えている。この環境認識はTOBを実施した時期と変わっていない。当社はこの変化をしっかり見据えて、中長期的に改革を進める方針を掲げていた。ただ、新型コロナウイルスが発生してから、求められる変革スピードが上がった。急激な変化に対して、改めてグループ間でのビジョンや戦略の共有化が重要になってきた。そのための共同持ち株会社設立だ。

前田建設が道路を完全子会社化する形も選択肢の1つとしてはあったが、それでは前田建設だけが上場会社として残って、道路は上場廃止となる。そうなると社員のモチベーションへの影響が懸念される。親子関係は解消するものの、新設するホールディングスが上場を維持し、その傘下に兄弟関係で3社が入るというスキームが最善ではないかと今回判断した。

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