「純投資」と称して新生銀行の株式買い増しを続けるSBIホールディングス。北尾吉孝社長の狙いはどこにあるのか(撮影:今井康一)

SBIホールディングス(HD)による新生銀行株買いが止まらない。2020年12月下旬の時点では保有比率が11.3%だったが、3月30日に提出されたSBIの大量保有報告書によると、筆頭株主としてその比率は16.5%まで上昇している。議決権ベースの割合は19%超になったとみられる。

保有比率引き上げのきっかけとみられるのは、1月27日に新生銀行グループが証券分野でマネックス証券との包括的業務提携を発表したことだった。提携先候補にはマネックス証券のほかに最大手のSBI証券の名前も挙がっていたが、最終的に新生銀行を射止めたのはマネックスだった。

提携発表の2日後、都内で開かれたSBIHDの決算説明会で、SBI証券の高村正人社長は憮然とした表情でこう述べていた。

「マネックスさんとの対比では、弊社で扱っている商品群やIFA(金融商品仲介としての提携)スキームの実績は圧倒的。どういう理由で(新生銀行の経営陣が)ああいう選択をされたのか、よくわからない」。

株式取得に投じた資金は632億円

SBIは近年、新生銀行の株式を市場で買い増してきた。保有比率が大量保有報告書を提出する基準である5%を超えた2019年12月以降、約1年間をかけて保有比率を5%以上引き上げ、2020年12月末には11%超の筆頭株主となった。株式取得は12月24日を最後に途切れていた。

ところが、1月28日からSBIは新生銀行株の買い増しを再開する。マネックスと新生銀行が提携を発表した翌日だ。以降、SBIは直近までに大量保有報告書を5回(2月17日、3月2日、9日、17日、30日)提出している。

保有割合を5%から10%に引き上げるのに約1年かけたが、1月28日から買い増しを再開し、11%超から16%超にするのは約3カ月しかかかっていない。株式取得に投じた資金総額は632億円。そのうち約220億円をこの約2カ月でつぎこんだ。昨年12月からのSBIによる買い増し動向を図表(下記)にしてみると、直近の“爆買い”の度合いがよくわかる。