グーグルは「クッキー」を使わない新たな広告ターゲティングの手法を開発。その中身についてプライバシーの責任者に直撃した(記者撮影)
アメリカのIT大手グーグルは2020年1月、同社が展開するウェブブラウザー「Chrome(クローム)」において、プライバシーの懸念を払拭すべく、広告のターゲティングに使われる「サードパーティークッキー」の利用を段階的に禁止することを発表した。クッキーによるターゲティングに頼ってきた広告業界は対応に追われている。
ただ、広告市場がしぼんでしまえば、広告収入が売上高の大半を占めるグーグルにも影響が出る。そこで同社はクッキーを使わない新たなターゲティング手法をネット広告に携わる各社とともに開発中だ。次第にその詳細も明らかになってきた。
新たな手法がどのような仕組みなのか、その狙いは何なのか。グーグルでアジア太平洋地域のプライバシー責任者を務めるジェシカ・マーティン氏に話を聞いた。

クッキーは「やりすぎている」側面もあった

――新たなターゲティング手法はどのように開発が進んでいるのですか。

グーグルだけでなく、広くウェブの開発者を巻き込んだ「プライバシーサンドボックス」と呼ばれるオープンな開発の枠組みを設けている。その中で技術のアイデアが提案され、支持が集まればプロトタイプを作り、試験運用が行われる。クロームだけでなく、ほかのブラウザーもここに参加してほしいと考えている。

サンドボックスの中では、興味・関心を基にしたターゲティング、過去に広告主のサイトに訪問した人を対象にした「リターゲティング」など、広告の目的別にそれぞれプライバシーを考慮した手法が開発されている。クッキーでは何がどこまで追跡されているかわからない状態だったが、今後は目的ごとに本当に必要なデータだけを使えるようにするのが狙いだ。

クッキー自体はよい技術だと思うが、(個人を追跡するという意味では)やりすぎている側面もあった。だからグーグルでは2020年、2年間かけてサードパーティークッキーの利用を禁止すると発表した。今のところサンドボックスの進捗にはとても満足している。

※クッキーを基礎から知りたい方は初心者でもわかる閲覧データ「クッキー」の大疑問をご覧ください。

――新たな手法の中でも、「FLoC(Federated Learning of Cohorts、コホートの協調機械学習)」と呼ばれる仕組みが広告業界でも注目を集めています。