かさい・たつや 1976年生まれ。大阪大学経済学部卒業後、フェリシモ入社。さまざまなプロジェクト、市場開発、事業開発、事業提携に携わる。2021年同社執行役員退任。同子会社cd.代表取締役、同関係会社LOCCO共同代表取締役。(撮影:梅谷秀司)
セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語
セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語(葛西龍也 著/双葉社/1600円+税/253ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
インド産オーガニックコットン製品に基金を付けて販売し、集まった基金でインドの貧困綿農家の有機農法転換を支援するPBPコットンプロジェクト。2010年にインド最貧州で本格的に活動を開始、その循環サイクルで農家の生活や土壌の改善に寄与してきた。参加条件は児童労働の禁止。一会社員だった著者を駆り立ててきたのは、次から次へと立ちはだかる「知らなくていいことを知ってしまう」の連鎖だった。

インドの綿農家の自殺問題 自分も加担してる⁉の衝撃

──始まりは、1双の軍手でした。

当時担当した業務で東京・原宿に進出したのですが、高い家賃が課題でした。買い物中に50円の軍手を見たとき、何か付加価値を付けて売れば家賃代になるとひらめいた。それで調べ始めたんです。軍手は綿糸くずが素材で左右表裏のないデザイン、エコで生産負荷の小さいサステイナブルな品だった。元は戦争道具というネガティブな面とのギャップも面白い。

実はその前に、お客の声を基に反戦メッセージ入りTシャツを基金付きで販売し、アフガニスタンの孤児たちを支援するプロジェクトを始めていました。一人ひとりの100円、200円が積み上がると大きな力になるという実感があった。早速軍手のコラボ商品化に向け走り出しました。