流出した取締役会の動画。怒りで立ち上がった岡田会長(中央のマスク姿)の権限停止を求める動議に賛成の手を挙げる富士本社長ら

「ふざけた話があるか! 役員会なんかもうやらねえよ! ふざけんな、もうまったく!」

2017年5月23日、東京・有明の本社ビルで開かれたパチスロ機大手、ユニバーサルエンターテインメント(UE)の臨時取締役会。激怒した岡田和生会長は立ち上がると、資料を机にたたきつけた。

「何だよ、俺の会社だよ、おまえら、いくら威張ったって!」

その日の取締役会はそもそも岡田氏が招集したものだ。11日前、香港にある岡田家の資産管理会社「オカダ・ホールディングス」(OHL)では異変が生じていた。前触れなく岡田氏が代表を解任され、見知らぬ日本人が代わりに就任していたのだ。同社のUE株保有割合は約7割。そこでこの動きを封じ込めようと、岡田氏は自身を割当先にUEがストックオプションを大量発行すべきと提案した。

岡田氏が2時間近くほぼ一方的にしゃべり続けた末、この強引な計画はようやく採決にかけられた。結果は圧倒的な否決だ。発行条件が何も決まっていないから、ほかの取締役は検討のしようがない。

面目丸潰れのうえ、さらに会議は思わぬ方向に進んだ。市倉信義監査役は岡田氏の正面の席に移動すると、強い口調で報告を始めた。その内容は子会社「タイガー・リゾート・アジア」(TRA)をはじめ香港における不透明なカネの動きだった。個人口座への送金記録など、岡田氏と腹心の根岸良直取締役による関与が疑われた。