ささき・とおる 2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

日本の株価が堅調だ。東証株価指数は年初来10%以上上昇し、30年ぶりに2000ポイントの大台に乗せた。世界の主要株価指数の中でも日本株のアウトパフォーマンスが目立つ。外国人投資家も1月、2月と日本株の買い越しに転じている。

こうした中で日本銀行がETF(上場投資信託)購入について、下限となっていた原則年6兆円という目安を廃止したことは当然であろう。株価指数が30年ぶりの高水準まで上昇したにもかかわらず、東京証券取引所の時価総額の7%をも保有する中央銀行がまだ株を買い続けるのは、健全な市場とはいいがたい。市場にネガティブなメッセージを送らないために12兆円の上限を残したことは仕方ないにしろ、今後株価が多少下落しても機械的に安易に購入を再開することは避けてもらいたい。

筆者は財務省・日銀による為替介入の経験則に照らすと、日銀が株の購入をやめたほうが株価は上昇しやすいのではないかと考えている。