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中国製ワクチンで外交攻勢強める 「ワクチンパスポート」の発行も開始

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「ワクチンパスポート」の運用が始まった。中国製ワクチンの普及という意図も見え隠れする。

スマホ画面のワクチンパスポート。中国製ワクチンを接種したかどうかなどがわかる(AFP/アフロ)

中国政府が世界に先駆け、新型コロナウイルス感染症の「ワクチンパスポート」の発行を始めた。国外渡航する自国民に、ワクチンの接種歴や抗体検査の結果などを記した証明書を交付する。中進国、途上国で盛んに使われている中国製ワクチンの接種を前提にしており、国際社会で中国の存在感を高めたい思惑が透けて見える。

「ワクチンパスポート」の正式名称は「国際旅行健康証明」。中国製ワクチンの接種や抗体検査などを済ませていれば、中国の代表的なSNSであるWeChat(微信)のミニプログラム上で登録ができる。通常はスマートフォンによるデジタル証明書だが、紙の証明書も発行できる。ワクチンの接種歴のほか、PCR検査、抗原検査、健康診断の結果などが記録されており、氏名などの個人データおよび旅行日程などとともにデジタル保存される。

正式なパスポート(旅券)には、例えば日本の場合「所持人を支障なく旅行させ、必要な保護扶助を与えられるよう関係の諸官に要請する」といった主旨の外務大臣の要請文が記されている。この「国際旅行健康証明」の意味合いも同様で、いわば中国政府が所持人の健康状態を証明するからよろしく頼む、と要請する形だ。

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