もりた・ちょうたろう 慶応義塾大学経済学部卒業。日興リサーチセンター、日興ソロモン・スミス・バーニー証券、ドイツ証券、バークレイズ証券を経て2013年8月から現職。日本国債市場での経験は通算で20年超。グローバルな経済、財政政策の分析などマクロ的アプローチに特色。(撮影:大澤 誠)

米10年物国債金利は昨年末の1%以下という未曾有の低水準から、先月末以降、1.5%を超えた。過剰な金融緩和によるバブル化も指摘されていた株式市場では、長期金利の上昇が株価調整を招くのではないかとの懸念も出ていた。1.0%を超えたら危険信号、いや1.2%が分水嶺だなどと指摘されていたわけだが、ここまでのところ世界的にもまだ本格的な調整は起きていない。

「未曾有の低金利」による株価の過剰な押し上げという市場の見方は間違っていたのだろうか? ここにきて改めて考えさせられるのは、「金融緩和の程度」を決めているのはいったい何なのかということである。

約20年前、日本銀行が世界で初めて量的緩和政策を実行に移したとき、「金利」(=ここでは短期金利)がすでにゼロの状況で、銀行の超過準備預金という「量」をもって金融緩和の程度を測ることが始められた。