たかい・ひろゆき 神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。英国ロンドンで、貴金属や銅・アルミなどの取引を担当。金融事業本部長、エネルギー本部長を経て、2013年住友商事グローバルリサーチ社長、18年同社ワシントン事務所長。20年7月から欧州エネルギー取引所グループ上席アドバイザーに転じる。(撮影:梅谷秀司)

昨年11月の本欄で筆者は脱炭素・グリーン電化がテーマになり、商品相場のグリーンサイクルが到来すると予測した。3カ月後の今、銅を筆頭にグリーン電化に必要なメタルは軒並み高値を更新している。

車のEV(電気自動車)化で最も恩恵を受ける銅はコロナ危機下の昨春に4600ドルの安値をつけた後、11月に7000ドル、直近は9250ドルをつけている。電池材のニッケルも昨春の1万0900ドルから足元では1万9500ドルに。車の軽量化に不可欠なアルミニウムも1420ドルを底値に今は2150ドルまで上昇した(以上いずれも1トン当たり)。太陽光パネルで使用される銀は12ドルから28ドルへ急騰。燃料電池向けの白金も610ドルから今は1250ドルと2倍になった(いずれも1オンス当たり)。

一方、蚊帳の外に置かれたのは金だ。9月の本欄で金には実質金利がマイナスであること以外には特段のテーマがないと指摘したが、案の定、暗号通貨に食われてしまった。