福島原発、終わりなき廃炉の道のり 事故から10年

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最難関とされるのは燃料デブリ取り出しだ。国や東電に勝算はあるのだろうか。

本誌:岡田広行

2月28日、東京電力ホールディングスは、福島第一原子力発電所の3号機の建屋内にある使用済み燃料プールからの燃料取り出し作業を終えた。

10年前の事故で水素爆発を起こした3号機には、566体の使用済み燃料が保管されていた。準備作業を含めると、約7年4カ月の時間をかけて、すべての燃料の搬出を終了した。

使用済み燃料の取り出しの際、機器のトラブルも相次ぎ、当初の計画より数年遅れた。それでも破損した3号機のプールから別の建物内のプールに使用済み燃料を移したことで、危険は大きく軽減した。3号機のプール内の水が抜けて燃料がむき出しになり、放射性物質が飛散するおそれはなくなった。東電は今後、事故を起こした1、2号機を含む4基の使用済み燃料プールからの燃料取り出しを進めていく。

水素爆発で大破した1号機ではがれき撤去に時間がかかっている。水素爆発を免れた2号機では、建屋内の高い放射線量が作業の行く手を阻む。いずれも難しい作業だが、2031年内に完了させる。

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