シリコンバレーの象徴だったオラクル本社。テキサス州へ移転した(Alamy/アフロ)

サンフランシスコを含むシリコンバレーの住まい事情は、ここ数年何かと取り沙汰されてきた。高給のテック企業社員のせいで住宅価格が高騰し、学校の先生や店員、消防士など普通の人が住めなくなったというものだ。テック産業による弊害は永遠と続くように見えたのだが、今やこれが一転、「テックジット」「テック・エクソダス(大脱出)」と騒がれる事態が起きている。

コロナ禍の中、フェイスブック、ツイッター、グーグルが在宅勤務を奨励しているうえ、大きなオフィスを抱えてきたエアビーアンドビー、ピンタレスト、ペイパル、イェルプなども本社を縮小中だ。オラクルやヒューレット・パッカード・エンタープライズのように、カリフォルニア州からテキサス州へと本社を移転する例もある。

ヒューレット・パッカードといえば、シリコンバレー史に不可欠な存在だ。またデータベースをシンボル化したオラクルの本社ビルは、長くシリコンバレーの象徴だった。テック企業の動向を調査するsf.citiが2021年1月に83社の創業者やCEOにアンケートしたところ、63%がシリコンバレーでのオフィスをすでに縮小したかこれからする予定と答えた。