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民意がカギ握る菅首相の「引き際」 就任半年で早期退陣説が飛び交うほどの苦境に

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政治家の本質は、辞め時と辞め方でわかる。過去の言動から菅氏の進退を読み解く。

長男の総務官僚接待問題などについて記者団の質問に答える菅首相(毎日新聞社/アフロ)

10年前の2011年3月11日、東日本大震災が襲った。当時の菅直人首相は前年の10年7月の参院選で大敗して衆参ねじれ下で綱渡りの政権運営が続いていたとき、国家的危機に直面した。

急場しのぎの「救国大連立」を仕掛けるが、自民党は乗らない。11年6月2日に内閣不信任案の採決が行われた。与党内の大量造反による可決が予想されたが、「退陣承諾表明」という奇策で生き延びる。延命を策し続けたが、8月30日、退陣表明後の居座り日数89日でやっと政権の座を降りた。

以後、首相自身の進退の判断による内閣総辞職は、20年8月28日の安倍晋三前首相の辞意表明まで起こらなかった。途中の12年12月の野田佳彦首相の辞任は、衆院選大敗による政権交代で、進退について選択の余地はなかった。

9年ぶりの前首相の辞任判断で政権を手にしたのが菅義偉首相である。ところが、就任半年で早期退陣説が飛び交うほどの苦境に立たされている。発信力や説明力の不足、新型コロナウイルスの第3波への対応の遅れなどが原因で、内閣支持率が急落した。さらに長男の総務官僚接待問題も噴出し、立ち往生が続いた。

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