米スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」は地上に専用のアンテナを立てて利用する(画像は同社ウェブサイト)

企業が抜本的なDXを実現するには、思い切った発想が欠かせない。毎年のように出現する新たなテクノロジーのうち、どれが「オセロの角」を取るのかを見極める力が経営陣に不可欠だ。だがオセロの盤面は年々拡大する。角を押さえたかと思えば、また新しい角ができて包囲されてしまう。

これは4G、5Gというふうに10年ごとに変わる通信規格のような予定調和的な展開とは異なり、ビットコインのような個人が開発したものが爆発的に普及したり、ベンチャー企業が新たなビジネスモデルを生み出したりなど、非連続の変化も含まれる。盤面を予測する力がなければ、あなたの会社のDXはすぐに陳腐化する。

変化を先読みして変わり続けることがDXだ。例えば近未来のビジネスを考える際、“地上”の世界だけを舞台にしていてはチャンスを見逃してしまう。今通信業界を中心にひそかに注目されているのが、宇宙だ。2月19日に米国の探査車「パーサヴィアランス」が火星に着陸し、カラー画像が送られてきたという快挙を見た人も多いだろう。宇宙開発はDXと無縁に思えるが、実はつながっている。

これまでのモバイル通信では地上の基地局から電波を発していた。だが基地局ネットワークの構築には莫大なコストがかかる。そこで地表から1000キロメートル以内を周回する低軌道人工衛星を基地局として用い、通信網をつくろうとする動きが活発化している。