今後2年間の経済回復は、新型コロナウイルスワクチンと同じく世界にあまねく広がらない。コロナ禍は収束に程遠く、負債も歴史的な水準に高まっている。状況はいかにも危うい。

確かに各国の経済成長率はパンデミックが始まった当初の一般的な想定を大きく上回っている。それでも足元の不況は深刻だ。国際通貨基金(IMF)の予測によれば、米国と日本の経済が2021年後半よりも前にコロナ以前の水準に戻ることはない。経済が再び落ち込み始めたユーロ圏と英国は、22年がだいぶ進んでようやくコロナ前の水準に復帰できるかどうか、といった見立てとなっている。

独りわが道を行くのが中国で、21年末の経済規模は19年に対し10%も大きくなると予想されている。しかし、その他の新興国や途上国の状況はまるで異なる。これらの国々の経済がコロナ前の水準に戻るには、多くの場合、何年かかってもおかしくない。世界銀行は、21年末までに極貧層が1.5億人増えるおそれがある、との見通しを示している。世界では飢えにも拍車がかかっている。