さえぐさ・とみひろ 1949年生まれ。73年明治大学卒業後、大和証券入社。76年イトーヨーカ堂入社。97年中国の成都イトーヨーカ堂に出向。現地法人の董事長などを経て2017年3月から現職。(撮影:尾形文繁)
総合スーパーのイトーヨーカ堂は、営業赤字に転落後の2016年に新たな中期経営計画を発表し、不採算店の閉鎖やテナントの入れ替えなど、再建に取り組んできた。改革の進捗やコロナ禍による変化を三枝富博社長に聞いた。

2019年10月公表の改革を要する店舗数

4月上旬に次の中期経営計画を発表予定。コロナ禍で回復する店舗もあるが、改革が必要な店舗数が変化するか注目だ。

──イトーヨーカ堂は20年度に8店舗を閉鎖し、21年2月末に全132店へ減る予定です。これまでは、長野県など主力の東京都周辺から遠い地域で閉店が目立ちます。17年3月の社長就任以降、改革をどのように進めてきましたか。

最初に手を付けたのが風土づくりだ。再建は、従業員の気持ちをいかに前向きにするかが大事。仕事の目的を実現するには、どう考えたらよいか。根っこがしっかりしていれば、(世間の)流れに対応できる。

16年以降、約60店で店舗構造改革を行ってきた。数字だけ見ると「売り上げも利益もあまり変わっていない」と思われるかもしれない。しかし、1店1店で精査しながらサービスや施設の機能性を高めてきた。それにより、地域のお客様からの評価は完全に変わってきている。地方とか首都圏という観点では考えていない。

例えば20年9月に改装した神奈川県のたまプラーザ店は、以前は収益性が低いからと紳士服や寝具などを並べなくなっていたが、顧客のニーズが高いと判断して、それらの品ぞろえを復活させた。すると顧客から使い勝手がいい店と見なされて、売り上げが1割以上も伸びた。