同社が営む貸農園。平均3000坪程度の農園を企業に必要な分だけレンタルする(写真:エスプール)

コールセンターなどへの人材派遣と障害者雇用支援の農園事業が2本柱のエスプール。同社は今2021年11月期に売上高248億円(前期比18%増)、営業利益25億円(同12%増)を見込む。新型コロナウイルス対策の財政支出が継続し、ワクチン接種に関連する問い合わせへの対応や事務作業の好需要が想定され、コールセンターなどへの人材派遣が堅調さを持続するとみている。

業績の牽引役は人材派遣だが、障害者支援の農園事業にも追い風が吹く。障害者雇用促進法が定める障害者の法定雇用率が、3月1日に2.2%から2.3%に引き上げられたからだ。

現状、障害者の雇用義務がある企業は全国で約10万社。そのうち法定雇用率を達成している企業は49%にとどまる。未達成の企業は従業員100人以下の中小企業が大半だが、上場企業を中心とする大企業の達成率も70~80%で、4~5社に1社は未達。従業員100人超の場合、障害者の雇用が1人不足すると年間60万円の納付金が発生するほか、企業名を公表されたり、公共入札から除外されたりするなどのペナルティーが科される。

同社の荒井直取締役は「就業可能な18~64歳の障害者約400万人のうち、民間企業で就業しているのは60万人。ただその約70%が身体障害者に集中しており、知的障害者や精神障害者の雇用比率は低いのが実情だ。知的障害者にとってやりがいがあり、継続できる仕事を提供したいとの思いから農業に着目し、農園事業をスタートした」と話す。