イラスト:岡村優太

睡眠の時間や質は心身のコンディションに直結する。睡眠研究の総本山といわれるスタンフォード大学医学部の教授で同大学睡眠生体リズム研究所所長も務める西野精治氏にコロナ禍が睡眠にもたらす影響やパフォーマンスアップにつながる眠り方を聞いた。

スタンフォード大学医学部精神科 教授、睡眠生体リズム研究所 所長 西野精治(にしの・せいじ) 1955年生まれ。87年大阪医科大学大学院から米スタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学。ナルコレプシーの原因究明に関わる。2005年同大学睡眠生体リズム研究所所長。(撮影:尾形文繁)『スタンフォード式最高の睡眠』西野精治 著/サンマーク出版1500円+税(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。)

──コロナ禍では働き方が変わりました。睡眠への影響は?

私が代表取締役を務めるブレインスリープが昨年4月、緊急事態宣言が早期に出された7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)の有職者1000人を対象に調査したところ、全体の32.8%の人が、睡眠時間に変化があったと回答した。リモートワークや時差出勤などとくに「働き方に変化があった」人の21.8%は就寝時間が遅くなり、夜型に移行する傾向が見られた。通勤が減ったことが関係しているのだろう。

また、全体の11.1%が睡眠の質が悪化していると回答した。とりわけ、働き方に変化のあった人は、そうでない人に比べて睡眠の質が下がったと感じている割合が多い。リモートワークになった人は、環境変化により生活が夜型になったことが響いたと推測できる。

良質な睡眠には規則正しい生活が不可欠で、いつもと同じ時間に寝ることが睡眠の質に影響するが、それとは真逆の事態になっている。

──入眠時間のずれは心身にどう影響しますか。