メルカリは1月に「マーケットプレイスの基本原則」を発表。田面木CEOが会見した(写真:メルカリ)

「社会の中で(フリマなど)2次流通のマーケットプレイスが果たすべき機能や役割は何か、改めて考えさせられた」

メルカリで日本事業を統括する田面木宏尚CEOは1月28日、同社が外部有識者とともに策定した「マーケットプレイスの基本原則」を発表した記者会見でそう語った。

メルカリは2020年7月、外部有識者で構成する有識者会議を設置し、議論を重ねてきた。国内では新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した同年2月以降、マスクや消毒液といった衛生用品を店頭で買い占め、フリマサイト等で高額転売する動きが大きな問題となった。これらは法規制や運営側の自主規制で沈静化したが、人気ゲーム機や限定キャラクターグッズなどの高額転売は後を絶たない。

消費者からは、プラットフォーム側による出品規制やアカウント停止を求める声も上がっている。有識者会議で議論した背景には、こうした社会的要請もあった。

高額転売の対策は「アラート」止まり

メルカリの定めた運営の基本原則は、売買が「安全であること」「信頼できること」「人道的であること」の3つ。これに基づいて高額転売の対応方針も打ち出した。

マスクや消毒液のように身体の安全や健康の維持に関わる商材は、今後も1次流通での供給状況に応じて出品規制を行っていく。それ以外は販売元などと連携のうえ、アプリで該当商品を検索した際、「価格が急騰している可能性があります」と表示するアラート機能を今夏までつける。

高額転売対応の一環として、メルカリは検索結果や購入画面などで「本商品は、価格が急騰している可能性があります」とユーザーに注意喚起するという(画像:メルカリ)

こうした対応は最小限といえるだろう。現在、「プレイステーション(PS)5」の販売元であるソニー・インタラクティブエンタテインメントは、メルカリに転売防止の協力要請を行っているが、メルカリ側は出品禁止などの個別対応を行っていない。田面木氏は「偽物や詐欺は別として、高額で出品されているという理由だけで一律に規制することは現状考えていない。その点は(販売元の)各社としっかり話し合う中でご理解いただいていると思っている」と話す。

先の有識者会議の中でも、「経済原理上はモノの価格が需給で決まっていくのを『悪い』とは言えず、法規制のない部分に関してはできるだけ自由な売買の場とするほうがいいのではないか、という意見が主流だった」(会議メンバーである国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授)。とはいえ、放置するわけにもいかない。メルカリへの反感を持たれないようにすることも重要だからだ。そこで高額転売については、販売元との連携や情報提供の強化で様子を見るという形に落ち着いた。