米アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏はネット通販事業の絶頂期にトップ交代を決めた(撮影:今井康一)

2月2日、米アマゾン・ドット・コムが発表した2020年10~12月期決算では、四半期売上高が前年同期比44%増で1000億ドル(約10兆円)を超え過去最高となった。同日、創業者のジェフ・ベゾスCEOが21年7~9月期に退任し、クラウド子会社アマゾン ウェブ サービス(AWS)を率いるアンディ・ジャシー氏のCEO昇格が発表された。ベゾス氏は取締役会長となり、自身が創業した宇宙企業、ブルーオリジンなどに時間を振り向ける。

ジャシー氏を知る人は多くないだろう。とくにIT業界外ではそうだ。しかし、AWSは現在のアマゾンの利益の過半を占める。多くの可能性を秘めるクラウドサービスの貢献者であることはあらゆる業界の経営層が知るべきだ。

彼は米ハーバード大学卒業。新卒で入った会社の仲間で起業したがうまくいかず、大学院修了後、アマゾンには創業3年目の1997年に入社した。クラウドの構想は03年、ベゾス氏の家での会議で、社内の課題を解決すべく、当時35歳のジャシー氏が提案した。

ネット通販(EC)企業にはテクノロジーの力があるという印象が薄いかもしれない。ただアマゾンは急速な国際展開や書籍以外への分野拡大のために、ITインフラを急拡大させることが難題だった。専業のITベンダーにはその力がなかった。「世の中にないのなら自分でつくろう」。そうした趣旨の新たな構想をあなたの企業では承認できるだろうか。