1月23日に続き31日にも、反政権活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏を拘置所から釈放することを要求する無許可デモがロシア全土で行われた。〈ロシアで1月31日に行われた反プーチン政権デモでの拘束者数が、約90都市で計5135人となった。同国の人権監視団体がまとめた。反政権デモの1日あたりの拘束者数では過去最大とみられる。/(中略)今後、ロシアに対する欧米諸国の非難が高まるのは必至だ。ロシア大統領府は「ナバリヌイ氏に関連して国外の声明に耳を傾けるつもりはない」としており、欧米との対立もさらに深まる可能性がある〉(2月1日付「朝日新聞デジタル」)。2014年のクリミア併合やウクライナ東部を親ロ派武装勢力が実効支配していることで、ロシアと欧米諸国との関係は十分に緊張している。ナワリヌイ氏をめぐる問題で欧米諸国がロシアに対する非難を強めても、プーチン政権には追加的打撃とならない。

観察すべきなのは、ナワリヌイ氏らの反政権運動がプーチン大統領の権力基盤を脅かすような事態をもたらすか否かだ。結論を先に述べると、ロシア当局は抗議運動を抑え込むことに成功しているので、一連の抗議行動でプーチン大統領の権力基盤が脅かされることにはならない。

重要なのは、日本や欧米諸国で考えられているよりもロシアでは言論と表現の自由が認められている現実だ。ロシアのテレビや新聞は政府の統制下にある。一方で独立系(本社は外国にある)インターネットテレビは本格的な取材体制と施設や機材を持ち、自由に活動している。2回のデモでも全国に記者を派遣し、実況中継を行っていた。ロシア政府は反政権的な放送をするインターネットテレビを遮断したり会社を解散させたりといった強硬措置は取っていない。デモに参加した人々が逮捕される瞬間の放映も警察は許している。