いけがみ・ひろゆき 1964年生まれ、2015年ニコン入社。執行役員映像事業部開発統括部長、執行役員映像事業部長などを経て、20年4月から常務執行役員映像事業部長。(撮影:梅谷秀司)

──フルサイズミラーレスカメラ強化策の遅れなど、ニコンに戦略の失敗はなかったのですか。

(一眼レフとミラーレスの)食い合いを恐れたというより、市場を冷静に、客観的にみることができなかった。

ミラーレス参入の際にいちばん懸念していたのは、(液晶モニターに映し出した像をファインダー越しに見ることのできる)電子ビューファインダー(EVF)の性能をどこまで上げることができ、さらに撮影枚数が少なくても許されるかだった。EVFだと(撮影の際にタイム)ラグの生じる懸念がある。撮影枚数も一眼レフなら1000枚以上だが、消費電力が大きいミラーレスでは500枚程度にしかならない。プロやハイアマチュアなど、岩盤層の顧客に受け入れられるか疑問だった。