ニコンはカメラ事業を本当に継続できるのか──。

多くのカメラユーザーは今、大いなる不安を抱いている。

2020年4〜12月期のニコンの営業損益は367億円の赤字(前年同期は215億円の黒字)に転落。21年3月期も650億円の営業赤字(前期は67億円の黒字)と、過去最悪となる見通しだ。

ニコンの業績が急激に悪化しているのは、売り上げの約4割(20年3月期実績)を占めるカメラなどの映像事業が不振だからだ。21年3月期の映像事業は400億円の営業赤字が見込まれ、2期連続の赤字となりそうだ。

デジタルカメラ市場には長く逆風が吹き荒れている。手軽に撮影できるスマートフォンに押され、デジカメの市場規模は急速に縮小。新型コロナウイルスの感染拡大もあり、20年のデジカメ出荷台数はピークだった10年の約14分の1に落ち込んだ。

「次はニコンか」

悪いニュースも相次ぐ。20年6月にはオリンパスが慢性的な赤字の続く映像事業を投資ファンド「日本産業パートナーズ」に譲渡することを決め、デジカメ市場から撤退した。ネット上では、「次はニコンか」との声も出る。

デジカメ市場を支えるプロやハイアマチュアの顧客層は、撮影対象やシーンに合わせて使い分ける交換用カメラレンズを購入してきた。ニコンであれば、ミラーレスカメラでも使用できる一眼レフのレンズだけで約400種類あり、中には100万円を超える高額品もある。「赤字がこれだけ続くと、ニコンもカメラ事業から撤退し、これまで購入してきたレンズ資産が無に帰すのでは」と不安視するプロカメラマンもいる。