「落札します。2600万円、2600万円」。1月末、都内で開催されたアートオークションの会場にハンマーの音が響いた。落札されたのは、30代の日本人作家の絵画だ。事前の落札予想価格は1500万円でその2倍近い値がついた。ほかにも落札予想価格を大きく超える作品が続出し、1日で約8億8000万円が動いた。

アート市場の活況は、日本だけではない。長引くコロナ禍で世界の実体経済が打撃を受ける中、あふれる緩和マネーがアート市場に流入している。世界二大オークション会社の1つ、クリスティーズの日本代表・山口桂氏は「世界の富裕層が、家で楽しめるものとしてアートを買っている。活況なのは現代アートだ」と語る。

現代アートの高騰は、コロナ前から始まっていた。2017年に、ZOZO元社長の前澤友作氏が米国作家バスキアの絵画を約115億円で落札したが、33年前の価格は約220万円。実に5000倍超の値上がりだ。19年には奈良美智の作品が27億円で落札され、最も高額な日本人作家となった。現代アートに流入するお金、美術商の仕事、コロナ禍の美術館など、アートとお金の裏側を追った。

プラス会員(有料)にお申し込みいただくと
下記のサービスがご利用いただけます。
  • 『週刊東洋経済』の最新号を先読みできる
  • 1000冊以上の豊富なアーカイブを読める
  • 雑誌誌面のイメージでも記事を読める
  • 限定セミナーにご招待